……特に何があるワケでもない、ごく平凡なある日、ルファクはジェメリー家を訪れた。
アルナはおつかいで1人、出かけていたため、アイリとルファクは2人でカードゲームを楽しんでいた。
このカードゲームは「魔術師」、「戦車」、「女教皇」、そして「死神」のカードを使うじゃんけんのようなものだった。
「はい、またあたしの勝ちー!」
アイリは活発な性格だが、(こう見えて)他人よりずっと賢い子供だ。
ルファクの思考、行動パターンを見抜き、連戦連勝という状態だった。
「……やはり、アイリは賢いな」
相手が妹同然のアイリのため、ルファクがムキになる事はなかったが、そうは言っても負けず嫌いで意地っ張りなルファクである。
やはり、どこか「悔しい」という空気を漂わせていた。
「もしかしてお兄ちゃん、手加減してない?
本気出してもいいよ?」
子供らしい笑みを浮かべながらそう言うアイリに、ルファクは何も言う事が出来なかった。
「……じゃあ、次の勝負は負けた方に罰ゲームね!
これならお兄ちゃんも本気出してくれるよね?」
“俺は既に本気だ”と言いたいルファクだったが、それはすなわち自分の能力がアイリよりも遥かに劣ると認める事になってしまう。
実際、アイリの方が上手であるのは確かなのだが、自分自身のプライドのためにも、“兄の威厳”のためにも、そう易々と自分の限界を認めるワケにはいかない。
ルファクは真剣な口調で「……良いだろう」と返した。
「行くぞ、アイリ!」
「うんっ!」
……しかし、結果はアイリの完全勝利。
ルファクはこれまでとはカードの切り方を変えていたのだが、そこまでアイリには見抜かれてしまっていたようだ。
「それじゃあ、罰ゲーム!
お兄ちゃん、じっとしててね!」
「ただいまー。
ポリンまん買ってきたんだけどみんなでいっしょに……」
買い物を終えたアルナがジェメリー家に戻ると、そこには長い金髪をツインテールに結ばれたルファクの姿があった。
「……お兄……ちゃん……?」
「ち、違うッ!
これはアイリが……ッ!」
「いいじゃん! 似合ってるよ?」
「そういう問題じゃないと言っているだろう……!
どうした、アルナ!? アルナッ!?」
その後、ジェメリー家の執事たちが駆けつけ、さらに話がややこしくなったのは言うまでもない。
(後書き)
このブログを初めて2ヶ月以上が経過しているワケですが、最近はSSの更新が少なく、
飽きられてるんじゃないかという気持ちがちょっぴりありまして。
一応、何気ない更新でもオマケを付けて、なるべく退屈させないよう意識はしているつもりです。
この所書いていたレオン誕生日SSとサビク誕生日SSが落ち着いたので日曜に何かネタはないかとぼんやり考えていたらまとまったので書きました。
まぁ、元になった話は以前考えたモノなのですがw
金髪・ツンデレと来たらツインテールかな、という非常に安直なお話ですw
もうそれ以上でも以下でもありませんw
本当はラストシーンでルファ子(ツインテール)を見ながらイルちゃんが「あらあらまぁまぁ♪」と喜ぶシーンがあったのですが、
そこでイルちゃんが出てくるとストーカー疑惑が沸いてしまうのでやめましたw
(元になった話ではデイブレイクで遊んでた気がします)
アイリとルファクが遊んでるカードゲームはM.S.S.2話で「かい」が夢中になっていたアレ、
ポリンまんはかつて商品化されていたものです(自分は再版の時に通販で買いました)。
こういう小ネタを入れるの結構好きなんですよね。
そもそも変なヒドラだってブラジリスにちなんだネタですし。
しっかし、ルファ君、またこんな扱いです。
1. る…
やばい… 仮面ルファ子の威力がハンパない…!!!wwwww
そしてアルナっちがいないw
Re:る…
頬もピンクに塗っておきましたw
>アルナっちがいないw
「どうした、アルナ!? アルナッ!?」
という状態だったため、うなされているかもしれません。
…マジレスすると今回はアイリ&ルファクだからなのですがw