当ブログのSSは個人的に作成した非公式なものです。それを踏まえてご覧いただけると嬉しいです。 忍者ブログ

あくまで非公式です

ラグナロクオンラインのクエスト「Strong Stars Story」関連の非公式SSサイトです。はじめての方は「はじめに」をご覧ください。 ©Gravity Co., Ltd. & LeeMyoungJin(studio DTDS) All rights reserved. ©GungHo Online Entertainment, Inc. All Rights Reserved

Side:Shadow 21「魔法都市の少女達」


Strong Stars Story
  Side:Shadow
   21「魔法都市の少女達」

スターオーブに導かれ、俺は魔法都市を訪れていた。

どうやらこの街にも「強き者」がいるらしい。
スターオーブが見せたイメージは、まだ幼い、2人の少女達だった。

2人というだけでもこれまでの流れとは異なっていたが、
今回は「聡明なる双葉」という名が俺の頭の中に響いていた。
これが少女達の「強き者」としての名なのだろうか。

……考えていても仕方がない。
俺は、スターオーブに導かれるままに、魔法都市を1人、歩いていた。


「……おや、テンジさん、奇遇ですね」

聞き覚えのある声にを耳にし、振り返ると、そこには
港街で出会った、トルシュ親子の姿があった。

「お久しぶりです。
 お元気そうで、何よりです」

トルシュは以前と変わらぬ、紳士的な笑みを浮かべていた。

「テンジのおにーちゃん、どうしてここにいるのー?」

無邪気に問いかけるニコルを前に、俺は
「知り合いに用事を頼まれて、な」
と当たり障りのない言葉で返した。

「我々は親戚の家で開かれるホームパーティーへ招待されまして……
 そうだ、テンジさんもご一緒に行きませんか?」
「さんせー!
 テンジのおにーちゃんもいっしょにいこーよ!」

トルシュは名案とばかりに、爽やかに話を切り出し、
ニコルも嬉しそうにそれに賛同していた。

「……いや、俺のような部外者が行っても迷惑だろう」

「そんな事はありませんよ。
 ジェメリー家のお嬢様達は知識欲がありますから、
 きっとテンジさんのような冒険者の方のお話は夢中になって聞くでしょう」
「それにねー、おいしいごはんもいっぱいあるんだよー!」

ニコルのそんな話を聞いていると、
俺はしばらく何も食べていなかった事を思い出した。

「……邪魔にならないか……?」

「大丈夫ですよ。
 私の恩人として紹介しますから」

俺は、トルシュ親子の好意に甘え、ホームパーティーへと同行する事になった。





きらびやかな会場の中に、しっかりと着飾った男女が溢れる会場内で、
俺はどうにも居心地の悪さを感じながら、
今まで食べた事もないような豪華な料理を無言で味わっていた。

食べられればなんであろうと構わない俺にとって、
この料理は、豚に真珠なのだろう……と、そんな事を考えていると、
スターオーブはぼんやりと白い輝きを放ち始めた。

この感覚は、恐らく近くにあの2人の少女達がいる……
そう感じた俺は、食べかけの料理を食べ終え、
スターオーブに導かれるままに、会場を出た先の通路へと向かっていった。

すると、そこにはスターオーブが見せた通りの2人の少女達の姿があった。
2人の少女達は立派なドレスに身を包み、いかにも良家のお嬢様というような、
俺とはまるで無縁そうな格好をしていた。

「……おじさん、もしかして、泥棒さん?」

最初に口を開いたのは、
栗色の髪を右側で結んだ、元気の良さそうな少女だった。

「ア、アイちゃん……
 お客さまにそんな事言ったら失礼だよ……?」

栗色の髪を左側で結んだ、
おとなしそうな少女が、慌てながらそう話していた。
2人は姉妹……なのだろうか?

「……俺は、泥棒じゃない。
 通りすがりの冒険者だ」

「あぁ、さっきトルシュおじさまが言ってた人?」
「……う、うん……たぶん……」

どうやら2人は俺の事をトルシュから聞いているらしい。

「トルシュが、この家のお嬢様達に、冒険者として話しかけるよう言っていたが……」

「うん、そのお嬢様たちっていうのが、あたしたち。
 あたしがアイリで、こっちがアルナ!」
「……アルナ・ジェメリー……です……
 今日は、その……ようこそお越しくださいました……」

アルナとアイリ、2人の少女がそう言って笑みを浮かべていた。
……どうやら、俺が探していた強き者「聡明なる双葉」は、
このジェメリー家のお嬢様達だったらしい。

こんな幼い子供が、どんな力を秘めているというのか。
「聡明」というからには、賢い頭脳の持ち主なのだろうか。

……サビクのように見た目で判断出来なかった前例もある。
ここは、少し様子を見た方が良いかもしれない。

「ねーねー、テンジおじさん」
「……アイちゃん!?」

再び放たれたアイリの「おじさん」発言に、アルナは慌てていたが、
そんな事など気にせずに、アイリは話を続けた。

「あたし、行きたい所があるの!
 今すぐ連れてって!」

「ダ、ダメだよアイちゃん……
 今日はわたしたちのために開かれたパーティーなんだから……
 いろんな人に迷惑が……」

「いいのいいの!
 あたしたちがいなくてもわかんないから、ダイジョーブ!」

アイリはそう言いながら根拠不明の笑みと共にVサインを見せた。

「さ、行こ! おじさん!」

「……俺はまだ、連れていくとは言っていないが……」

「おじさん、連れてってくれないなら、人呼ぶよ?
 フシンシャがいる!って言えば、あっという間に牢屋行きだと思うなー?」

俺の半分程の年齢であろうアイリは、その言葉だけで俺の否定意見を封じてしまった。

……だが、これも2人の強さを知るには調度良い機会なのかもしれない。

俺は、諦めてアイリの要求を呑む事にした。

「家族の許可はどうする?
 取れる雰囲気でもなさそうだが
 ……黙って出ようにも、あちこちに家の者がいるぞ」

「ダイジョーブ!
 この家の事なら、よく知ってるから!
 行くよ、アルナ! おじさん!」

「もう、アイちゃんは……」

アルナは何かを諦めるように、そう呟いた。
アルナとアイリは、ドレス姿のまま俺を秘密の出入口へと案内していくのだった……



(星七号の独り言)
お待たせしました、ついに第3章 アルナ&アイリ編が開始です。
今日はアルナ&アイリの誕生日ですからね、ハッピーバースデー!

スピカ、サビクは誕生日にEXを公開しましたが、アルナ&アイリはまた後日となります。
何卒、お許しください…orz

Side:Shadowは本家と事なり、ストーリーの進行が一本道なので、
今回のアルナ&アイリ編では、スピカ編やサビク編を踏まえた構成にしてあります。
トルシュやニコルが出て来たりもその部分ですね。
元々親戚という裏設定でしたし、また出そうかな、と。

ドレス姿で登場というのは書きながら想像してて楽しかった部分です。
画力がないから妄想でカバー!w

というか、ドレスの少女2人を連れる腹ペコ不審者(野良犬属性)って
間違いなく通報ものですよねw
おじさん呼ばわりされてるけど、まだ25なんですけどね、彼w

アルナ→アイリの呼び方はかなり悩んだ部分で、
悩みに悩んだ末に今回は「アイちゃん」にしました。

アイリは「ダイジョーブ!」が口癖になってますね。
でもそのダイジョーブはどこまで信じて良いのか…w

そんなこんなで、
これからSide:Shadow版アルナ&アイリお付き合いいただけると幸いです。
よろしくお願い致します!

最後にもっかい、ハッピーバースデー!
PR

コメント

1. ドレスか、ふむ…(妄想スイッチON)

 泥棒おじさん呼ばわりか… テンジの見た目がかなり怪しかったのか…?
双子ちゃんのドレス姿を思い浮かべてニヤニヤしている変態ならここにもノシ
 小学生からしたら、大人は皆おじさんおばさんですししゃーない!!
ドンマイ、テンジ。 そのうち「お兄ちゃん」って呼んでもらえるさ!

 ともあれ、2人ともおめでとう!!
いっぱい可愛がってあげるからこっちにおいでワキワキ(←おまわりさんry)

Re:ドレスか、ふむ…(妄想スイッチON)

コメント&お祝いありがとうございます!
娘達の誕生日だっていうのにバタバタでやんなっちゃう!

>双子ちゃんのドレス姿を思い浮かべてニヤニヤしている変態ならここにもノシ
ですよねー、アルナアイリ万歳!

>小学生からしたら、大人は皆おじさんおばさんですししゃーない!!
テンジは割とその辺気にしない性格なのでダイジョーブです!
野良犬体質だし!

>いっぱい可愛がってあげるからこっちにおいでワキワキ(←おまわりさんry)
アイリに手玉に取られないようご注意くださいなw

プロフィール

HN:
星七号
職業:
ゲーム作ったり話書いたりする人