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Side:Shadow 28「暴竜現る」


Strong Stars Story
  Side:Shadow
   28「暴竜現る」


俺とアイリは、アルナ、そして現在地を確認していたサブリナと合流し、
順調に薬の原料を集めていった。

残すは「一角竜の角」のみ。

「さぁ! あと少し!
 がんばろー! おーっ!」

アイリは疲れを誤魔化しながら、
自分で自分に気合を入れているようだった。

「でも……一角竜はとっても狂暴だから、気を付けないと……」

相変わらず冷静に、落ち着いた様子でアルナはそう言っていた。

「大丈夫ですよ、何があっても私がお嬢様達を守りますから」

サブリナは優く2人に微笑みかけていた。

そんな時だった。
多くの鳥が不自然に飛び立っていた。
そして、轟音をあげながら、徐々に何かがこちらへ向かってくる気配を感じた。

「……サブリナ!」
「はい……っ!」

俺達はいつでもアルナ、アイリを守れるよう臨戦態勢を取った。

俺達の視界に巨大な一本角の竜の姿が入り込むと共に、
何者かが全力で一角竜の追走から逃げているようだった。

「ヘッ……ヘルプッ……!!
 やめっ……助けてェェェ!!」

どこかで見たような男の気がしていたが、アイリが
「……遊園地であたしにナイフを向けた男」
と呟いた事で、俺はあの男が何者なのかを思い出した。

「助け……っ! 助けてェ!!
 もうしない……もう悪い事しないからァァァ……!!」

必死で助けを求める姿に、俺はため息をつきながら、
「ならとっとと失せろ……!
 一角竜は俺達が引き受ける!」
と伝えた。
こんな男であっても、目の前で死なれては気分が悪い。

「フッフフン!
 たすかったぁぁぁ!!」

「……そう言うワケだ。
 サブリナ、行くぞ……ッ!」
「はい、お嬢様達は隠れていてくださいねっ!」

俺達は逃げ去る男とすれ違い、そのまま一角竜に向かって攻撃を仕掛けた。

「グアァァァオォォォッ!!」

一角竜は雄叫びをあげながら、近付く俺達を振り払った。
その間にも男は走り続け、俺達の近くから去っていったようだ。

「……半端な攻撃は効かないか」

「……一角竜の顎の下には逆さになってるウロコ
 『逆鱗』があります!
 そこには絶対に攻撃しないでください……!」

アルナは岩場の影から俺達にそう伝えた。

「一角竜は逆鱗に触れた者を死ぬまで追いかけると言われています……!」

弱点の情報ではなく、逆に狙ってはいけない部分……
だが、そのおかげで無意識にそこへ攻撃する事は避けられる。

「わかった!
 アルナ、感謝する!」

俺とサブリナは、一角竜の攻撃を避けながら、反撃を仕掛けた。
しかし、どれだけ攻撃しようとも、一角竜の肉体には傷1つ付けられていない。

「一角竜の死因は同族との争いだと本で読みました。
 少なくとも、同族からの攻撃には無敵じゃない……
 つまり、サブリナさんが魔法で攻撃を跳ね返せれば……」

アルナがそう話していた時、一角竜が口から火炎弾を放った。

「……グオアァァッ!!」

「それなら……使わせてもらいます……!!」

火炎弾をサブリナが魔法で吸収反撃しようとした時、
火炎弾はいくつもの小さな弾へと分裂した。
いくつかの小さな火炎弾は吸収出来たようだが、
吸収しきれなかった無数の火炎弾が一瞬でサブリナへと襲いかかった。

「きゃあああぁっ!?」

「サブリナッ!?」

サブリナの魔法が間に合わなかったのか、
魔法で吸収可能な量に限りがあったのか……
サブリナは分裂した無数の火炎弾を全身に受け、酷く傷付いていた。

このままでは、死んでしまうかもしれない……

「サブリナさんっ!?」
「サブリナっ!!」

隠れていたアルナとアイリがサブリナに駆け寄ろうとしていた。

「来るなッ!!
 お前達までやられるぞッ!!」

俺の制止も聞かず、アルナとアイリはサブリナに駆け寄った。
やむを得ず、俺は一角竜に攻撃を仕掛ける事で、一角竜の意識をこちらへ引き付けた。

「わたしが、余計な助言をしたから……っ……!
 ……おねがい、死なないで……!」

「……お嬢……さ……ま……っ……」

「死なせない……あたしが死なせない……っ!!
 奇跡の光で……!」

アイリは構えた玩具のような杖から
眩いほどの白い輝きを放ち、
その輝きを受けたサブリナの傷はあっという間に癒えていった。

まさか、アイリがそんな力を使いこなせるとは思わなかった。

……いや、だが2人は「強き者」だ。
今までその片鱗を見せていなかっただけで、
出逢った時点で既に「強き者」だったのだ。

「……お嬢……さま……
 ありがとうございます……
 これでまた、戦えます……!」

サブリナは立ち上がり、再び戦おうとしたが、
アルナとアイリがそれを制止した。

「サブリナさん……さっきはごめんなさい……
 おねがい……もう傷付かないで……
 家族が傷付くのは……もう、いやだから……」

アルナは静かにそう言った。

「ありがとう、サブリナ。
 ……それにおじさん。
 2人は近くで見てて」

アイリもまた、真剣な表情でそう言った。

「後は……わたしたちがやりますっ!!」
「後は……あたしたちがやるからっ!!」

アルナとアイリは、同時に杖を構えた。

「どういうつもりだ!?
 お前達には、危険すぎる……ッ!!」

「ダイジョーブ。
 今までナイショにしてたけど……」
「わたしたちも、危険なのには慣れてるんです」

2人は、決意を宿した真剣な目付きに落ち着いた声色で、
どこか寂しげに、そう言い放った。



(星七号の独り言)
ずっと書きたかったアルナとアイリのバトルシーン。
これを書きたいがためにアルナ&アイリ編があると言っても過言ではないかもしれない?

別にモンハン合わせでこんな話になったワケじゃないんだからねっ!
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コメント

1. ルファクさんおたおm……

 って、ルファクの話じゃなかったwwwwww
 双子ちゃんの本気バトルシーンに期待がかかります。

Re:ルファクさんおたおm……

コメント&お祝いありg…
ルファクの話じゃなくて、すみません!w

実はこの所、7の付く日がSide:Shadow更新日という法則に気付いてしまい(無意識)、
今回はあえて乗っかったためにこうなりました、
いつまで7の日更新が続くかはわかりませんw

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星七号
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ゲーム作ったり話書いたりする人