事のきっかけは数日前に遡る。
「…温泉?」
デイブレイクで忘年会を開いていた強き者達。
未成年のためアルコール飲料ではなくジュースを飲んでいたアイリが
高めのテンション高めに語っていた。
「そう!
みんなで温泉行こうよ!!
せっかくみんな元気でこうしていられるんだしさ!!」
「うーん…わかるような、わからないような…」
困った笑顔を見せているアルゴルだったが、
「…温泉!
一度行ってみたかったんだよね!」
スピカは目を輝かせてその気になっていた。
「温泉か…今の時期なら雪見風呂って一杯ってのもあるよな」
サビクはアルコール飲料を飲みながら、相変わらず酒の話をしていた。
「…ルファクお兄ちゃんも…一緒に…」
アルナが恥ずかしそうにルファクの袖を引いた。
「…良いだろう」
ランドルフが作った肉料理を堪能していたルファクも、珍しく乗り気だった。
「店は任せて、楽しんできなよ」
ランドルフはアルゴルの肩を優しく叩いた。
悩んでいたアルゴルだが、ランドルフの後押しもあり、嬉しそうに微笑んだ。
「はい、それじゃあ…
テンジ、キミも行くよね?」
「あぁ、行こう」
こうして、一行の温泉旅行が始まった。
※
「アルナ、最近また大きくなったよね…」
「アイちゃん…っ!?」
(…もしかして…もしかしなくても私より大きいような…)
隣の女湯から楽しそうな声が聞こえてくる中、男湯(露天風呂)では…
「……」
「……」
「……ぷはぁ、酒が美味い!」
上機嫌で酒を飲むサビクと、無言のアルゴル、テンジがいた。
「…それより、ルファクは?」
「あぁ、雪を見てるみたいだよ」
雪を手に取り、眺めているルファク。
「…雪もまた、いずれ溶けゆくもの…か…」
温泉だというのにルファクは、マスクも外さず、
胸からバスタオルでしっかりガードしていた。
「女子か!!」
サビクは思わず風呂桶をルファクへ投げつけた。
「…見ればわかるだろう、俺は男だ」
サラサラヘアを風に揺らしながら、ルファクは真顔でそう言った。
「そんな事はわかっているが…」
「なんかこういうやつ…」
「…許せないよね」
テンジ、サビク、アルゴルの3人は
ルファクからバスタオルを奪いに向かった。
「…させるか!」
だがルファクはバスタオルの中から小型の銃を取り出し、それを乱射する。
「バカッ、危ねェだろ!!」
「安心しろ、ゴム弾だ」
「そういう話じゃねェッ!!」
「…遅い!!」
落ちていた木の枝を拾い、テンジは放たれたゴム弾を全て叩き落とした。
※
「男湯も、楽しくやっているみたいですね」
アルナとアイリの保護者として同行していたサブリナは
穏やかに微笑みながらそう言っていた。
(…どうすればその歳でそんなに大きく…
何か秘密があるのかな…?)
スピカは1人、アルナを見ながら、自分と比べてしまっていた。
「…すーちゃん、その、あんまり見られると…」
恥ずかしそうに顔を赤らめながら、アルナはそう言った。
「ご、ごめんねっ!?」
スピカもまた、恥ずかしそうに顔を赤らめていた。
「温泉上がったらコーヒー牛乳飲みたいな~♪」
楽しそうに風呂上がりの事を考えるアイリ。
「わたしは普通のミルクがいいな…」
「私はどうしようかな…?」
アルナやスピカもつられて風呂上がりの事を考えていた。
なお、牛乳は胸の発育に影響があると言われるが、
コーヒーも悪い影響があると言われているとかいないとかだという。
※
「…しかし、アルゴル、お前…脱ぐと結構イイ身体してるよな 」
「…兄さんだって…」
恥ずかしそうに顔を赤らめるアルゴルだが、
この話はあまり掘り下げても仕方がないので割愛する事にした。
「「…!?」」
こうして、強き者達は温泉旅行を堪能したのであった。
(後書き)
「/organize」会場で温泉話書くよ!
という話になったので、休暇を利用して書きました。
お待たせしてしまって申し訳ありません。
ちなみにこの話は風呂に入りながら考えました。
Side:Shadowが途中なのにSide:Shadow設定にしたのは
・スピカが温泉に行きたがってる台詞を前に書いた
・サビクに酒を飲ませたかった
この辺が理由です。
男湯はキャッキャしてるのに女湯はのほほんとしてる構想だったのですが、
なんかいざ書いてみたらこんなんになってました。
Jawさんの同人誌でのほほん入浴すっぴーは見られるので、
そちらはそちらでお楽しみいただければと!w
あとはアレですね、サビクさんが女湯を覗こうとするシーンも予定にはあったのですが、
相手が妹達ならそんな事はしないよな、と没ったりしています。
サブリナさんがさりげなくいるのはその時の名残だったり。
2020年も残り2日。
年末のご挨拶は明日またさせていただくとしましょう。
では!
1. 圧倒的、感謝!!!
ありがとうございます。
…ふふ、ルファク、素敵。
>この話はあまり掘り下げても仕方がないので割愛する事にした。
いや、掘り下げてよ!(心の声)
らくがきでアルゴルにチャンピオンの服を着せたときに、どれくらい筋肉をつければいいか、少し悩んだのです。
何しろアルゴルは3年寝太郎(?)だったし、デイブレイクでもゴホゴホしてたので、筋肉落ちてるのかなと。
(結論としては、ムッキムキにするとアルゴルっぽくなくなる…)
「アルゴルは脱ぐと割と凄い」重要情報。
>Jawさんの同人誌でのほほん入浴すっぴーは見られるので、
名指しだ( ゚Д゚) お恥ずかしいですが、反省はしません。
>サビクさんが女湯を覗こうとするシーンも予定にはあった
誰もがたどり着く構想なのかもしれない……。
でも考えて欲しい……「覗き」ではなくて「乱入」ならば行けるのではないかと。
妹達の悲鳴一つで兄は乗り込んでいける。正義!
あ、あと「アルナは胸大きいなぁ」と、SSSの立ち絵を見るたび思います。
今年もブログの更新を楽しみにしています。
よい一年になりますように。
Re:圧倒的、感謝!!!
>ルファク
彼はこう、真面目でまっすぐなのに、何故か人とズレているキャラなので、
「温泉話書こう」→「ルファクは胸からバスタオルな!」
みたいにあっさりポジションが決まっていましたw
>アルゴル
実は彼は公式設定として案外脱いだら凄いタイプですw
ただ、ボディビルダー的な肉体ではなく、いわゆる細マッチョ的な体型ですね。
あと身体には消えない傷がいっぱいあります。
3年寝太郎については考慮してないワケではなく、実はちょっとした設定があったり。
詳しくはいずれ、時が来たら。
また、マッスルメモリーというものがあり、一度ついた筋肉は再びトレーニングをする事で、
取り戻せるものらしいですよ(職場の筋トレマンに聞きましたw)
さらに掘り下げると、実はサビクも立ち絵に起こす際、どこまで筋肉質にするか悩んだんですよね。
彼はしばらく堕落生活してましたし、お酒飲みまくってるワケですからw
でもメタボってたらやだなとか、なんだかんだで現在のスタイルとなっておりますw
>「覗き」ではなくて「乱入」ならば
なるほど、一理あります。
いつの日かPart2を書く際には検討しますw
ただ職業柄、男女が一緒にお風呂はレーティング上がりかねないから回避!
とか無意識に考えちゃうんですよねw
少年誌では出来る表現がゲームでは規制で許されないケースもありますし。
って、スピカ触手ストーリー(略してS.S.S.)を書いてた自分が言うのもアレですがw
>アルナ
当時マーケティング担当だった某氏のこだわりによるものですw
ドット絵大きくなりすぎたから小さくしてもらったよ~と何気なく話したら当時は別の階だったのに
何度も星七号のデスクまでやってきて
「それぐらいのサイズならこの界隈では10人に3人ぐらいはいます、当たり前です!」
って力説されましたw
彼のこだわりぶりは真剣に尊敬しています。
どうぞ、今年もよろしくお願い致します!