モロクの酒場で、軽食を食べていたサビクは、何食わぬ顔でレテーナに話しかけた。
「……レテーナ、なんか欲しい物あるか?」
思わぬサビクの発言に、レテーナは疑いの眼差しを向けた。
「どうしたのよ、急に?
何か変な物でも食べた……?」
サビクはふてくされたような表情で、頭をかきながら、「聞くんじゃなかった」と呟いた。
レテーナは理解していた。
おそらくサビクが、近日に迫るレテーナの誕生日を理解していて、そんな話を切り出した事を。
「そうね……ちゃんと仕事をする用心棒が欲しいわ」
そう言って、サビクの反応を楽しんでしまってもよかったのだが、
これ以上サビクをからかっても、それを口実に仕事をサボられる可能性がある。
レテーナは言いかけた言葉を一度飲み込み、一瞬頭の中で言葉を整理した上で、口を開いた。
「そうね……ちょっと気になるものがあるから、今度一緒に買い物付き合ってくれる?」
少し、照れくさそうにレテーナがそう言うと、サビクは優しい笑顔で「しょうがねぇな」と返した。
(後書き)
このブログで非公式に決めたレテーナの誕生日なので、お祝いすべきか悩みましたが、
間を取って、こんな形で簡単なSSにしてみました。
スーパーショートストーリー(SSS)。
オチとかなくてすみません。
二人の関係性を書きたかったんです。
レオンの「僕誕生日ですよ!」アピールははぐらかすくせに、
「誕生日プレゼント買ってやるよ」アピールをはぐらかされるとふてくされるサビクさん。
というワケで、ハッピーバースデー、レテーナでした!
