幼い頃から憧れている夢。
いつの日か、きっといつの日か、絵本に描かれた夢物語のように王子様はやってくる。
待っていれば、いつか必ず……
「……何があってもお前だけは守ってみせる……俺の生命に変えても……」
目の前に現れたのは、仮面で素顔を隠した、美しい金髪の王子様。
彼は決して誰にでも愛想を振り撒くタイプじゃない。
だからこそ、愛する時は情熱的な激しさを見せてくれる……そんな人。
「……お前が傍で笑っていてくれる。 それだけで、俺はどこまでも強くなれるんだ」
次に現れたのは、大人の色気を漂わせる赤毛の王子様。
彼は正統派の王子様ではないけど、包容力があって、いつも傍で、優しく見守ってくれる。
そしてその裏には子供のような純粋さを潜ませている所も、魅力の1つ。
「ボクにはキミしかいないんだ。 キミのためなら、ボクはなんだってしてみせるよ」
今度は、どこかミステリアスな雰囲気を持つ、白髪の優しそうな王子様。
肌も色白で、優しそうな雰囲気だけど、本当は凄く寂しがり屋で、世界を敵に回してでも愛を貫く……素敵なほどにまっすぐな人。
「僕だって男です! 大好きな人の力になってみせます!」
さらに、まだ幼さが見えるけれど、無限の可能性を秘めている、そんな王子様が現れた。
彼はきっと、遠くない未来に立派な男になる……気がする。
彼の成長を見届けるのも、1つの幸せに違いない。
「さぁ、君は誰を選ぶんだい?」
最後に現れたのは、最初の王子様と似た、美しい金髪の王子様。
でも彼は裏表のない満面の笑みで、こちらに微笑みかけていた。
「……俺の生命はお前だけのためにある」
「俺がお前を幸せにする」
「キミと出逢うために、ボクは生まれ生きてきたんだ」
「僕はあなたが大好きなんです!」
「……僕を選ぶ選択肢? うーん、あるといえばあるかなー?」
あぁ……選べない……!
アタシには選べないわーッ!?
「……っていう夢を見たのよ」
酒場「デイブレイク」で、乙女の心を持つイルは、幸せそうにランドルフに夢の話をしていた。
「……それはよかったね」
「現実になったらどうしましょう……!
あぁ、アタシの……アタシの王子様ー……!」
妄想に胸踊らせ、うっとりしているイルを見て、「世界には色々な人がいるものだ」とランドルフは1人感じていたのだった。
(後書き)
今回の主役は読んでいるうちに誰なのか気付いて欲しかったので、誰メインなのかをタイトルには記載せず、ドット絵もなしとさせていただきました(スマホ版だとタイトルの場所に画像が出ますので)。
(調整1)文字ばかりで寂しかったので野郎軍団を仮置き。
ミアさんだけいないので暇見つけて作ります。
(調整2)ミアさん追加しました。
ルファクと微妙に髪色が違いますが作った環境が違うためご了承ください…
6月…ジューンブライド…花嫁…
はい、そんなワケ(?)で、本当に書いちゃいました、イルちゃんショートストーリー(そもそも物語性のないこれをSSと呼んでいいのか?)w
どうせならスピカやアルナアイリにしてほしかったという声が聞こえてきそうですw
イルちゃんというのはS.S.S. でExtra Episodeが発生した時に声をかけてくる(心は)乙女の人ですね。
初登場は2010年のバレンタイン&ホワイトデーイベント内クエスト「工場シークレットストーリー」でした。
詳細は伏せますが、以前いわゆる乙女ゲーのシナリオを担当させていただいた事がありまして、その頃を思い出しながら男たちの台詞を書きましたw
まぁ、今回のはお遊びなので、次からはちゃんと普通のSSを書く…つもりです。
あと、こんなん書きましたけど、自分は別にイルちゃんのような趣味をしているワケではありませんのでw
触手シナリオ書いたからって触手スキーとは限らないのと同じでw
今回の反省点としては…夢オチ使いすぎって事ですね。