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あくまで非公式です

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断罪者と追跡者(非公式ルファクSS)

仮面の銃使い……ルファクと呼ばれる男がいる。
長い金髪を風になびかせ、暑かろうとロングコートを脱がないキザな野郎だ。
俺は、ここ数日、理由あってそんなキザ野郎を尾行していた。

ルファクは街外れにある小さな廃倉庫で暮らしているようだ。
ただし、廃倉庫と侮るなかれ、何故か不釣り合いに綺麗な風呂が完備されている。
確かに、毎日風呂に入っていなければあんなに髪がサラサラしてはいないだろう。
とはいえ、廃倉庫に綺麗な風呂。
普通ではない。

そして、風呂はあるが、生活スペースには生活感がまったくない。
似たような着替えの服がいくつかあるだけで、あとは大量に武器だけが並べられていた。
お前は武器屋か、それとも昔話で聞いた戦いに勝って武器を奪うという豪傑か。

食事は外食が主……しかも肉料理ばかりを食べている。
数日尾行をした限りでは毎日必ず、何かしらの肉料理を口にしていた。
特にステーキが好きらしく、聞かれてもいないのに焼き加減まで指定していた。
よほどのこだわりがあるのだろう。

こだわりと言えば仮面だ。
食事中でも仮面を外す気配がない。
流石に入浴姿までは確認していないが、もしかすると風呂の時もマスクを外さないのでは?と気になってしまう。

尾行を続ける事、5日目。
この男がどうやって生活資金を稼いでいるのか……その疑問の答えに、俺はようやく気が付いた。
どうやら、賞金稼ぎのような事をしているようだ。
そのため、状況に応じて武器を使い分ける必要がある。
なるほど、ただのマニアックではなかったようだ。

ルファクがとあるならず者を追って廃墟に行く様を俺は目撃した。
面白そうだったから……もとい、俺は、ある理由のために、廃墟内へ潜入し、ルファクの賞金稼ぎぶりを監視する事にした。

あっという間にルファクはならず者を追いつめ、銃を突きつけていた。

「……」

ルファクはならず者に何かを質問しているようだが、相手は銃口を恐れながら、首を横に振るだけだ。
何を話しているのかはさっぱりわからない。
かろうじて
「……すべてを終わらせる……その日まで俺は……」
という言葉は聞き取れたが、これだけではなんの事だかさっぱりわからない。

もっとよく会話を聞きたい!
そう思い体勢を変えた瞬間、俺は物音を立ててしまった。
物音に気付いたルファクはこちらを睨みつけ、颯爽と近付き、物陰に隠れていた俺に銃口を突きつけた。

「……抵抗するな……時間の無駄だ」

俺の血の気が引いていくのがわかった。
殺されるかもしれない。
おそるおそる俺は両手を上げ、ルファクの前に姿を見せた。

「お前は……ジェメリー家の執事……
 なぜこんなところに……ッ」

俺は正直に真実を話した。
「お嬢様たちにお兄ちゃんと呼ばれる人物が何者なのかを知りたかった」と。

「……何者……だと……?
 フンッ……くだらん……
 俺は俺以外の何者でもない」

ルファクはそう言って銃を下ろし、捕らえたならず者を連れて廃墟を去ろうとしていた。

「待ってくれ!
 1つだけ……1つだけでいい!
 どうしても教えてほしい事があるんだ!」

俺の言葉にルファクは無言で振り返った。

「……なんであの倉庫に、あんな綺麗な風呂があるんだ!?」

俺の問いにルファクは再び背を向けた。

「あの倉庫に一度だけアルナとアイリを招いた事がある……
 次の日、帰ったら風呂が出来ていた。
 ……それが答えだ」

その言葉だけを残し、ルファクは去っていった。

そうか、あれはお嬢様たちのプレゼントだったのか……
でも、お嬢様たち、なんで住む家じゃなく風呂だけなんですか……?

答えを知った俺の中に、新たな疑問が生まれてしまったのだった。



(後書き)
ちりゆくものよー、うんたらかんたらー!
このSSは今年のルファ君の誕生日(2月6日)を記念して書いたものです。
アイディアネタは昔lalaさんがルファ君のお風呂シーンを描いた事が忘れられなかったから…かもしれませんw

しかしまぁ、とんでもない話になっちゃいましたね!
ルファクに関して改めて書くなら、やっぱり普段は見えない裏側の話にしたいなぁと思いまして。
この「ジェメリー家の執事」がコーイと同一人物なのかはご想像にお任せしますが、きっとルファクについて気になる執事は何人かいるのではないでしょうかw
あんな仮面男がちょくちょく訪ねてきて、お嬢様たちに「お兄ちゃん」と慕われてるワケですからw

ちなみに…ルファクが暮らしてる廃倉庫自体、使われていなかったものをジェメリー家が権利を買い取り、合法的にルファクを住ませているというルファクも知らない裏設定(廃倉庫に住んでる事自体が非公式脳内設定ですがw)。
彼は勝手に雨風凌がせてもらってる感覚だし、権利者に出ていけと言われれば出るつもりだから必要最低限の使い方をしてるけど、実はジェメリーに管理されているというw
本当はアイリがキラキラした家を建ててあげたかったんですが、ルファクが嫌がって逃げ出しても困るから廃倉庫のままにしているワケです。

風呂をもらう前は簡易シャワー的なものを自作し、それを使っていたのですが、アルナアイリに「せめてお風呂ぐらいはゆっくりしてほしい」とプレゼントされたという(非公式)設定ですw

ルファクに関しては圧倒的存在感のあるライバルを目指したキャラクターです。
流行的な事も考慮して、中学二年生的に突き抜けさせた方が楽しいだろう、とか、そんな事を考えていた気がします。

断罪の凶星という肩書きも、煉獄だの神威だの刹那だの、夜も眠らずに思い付く限りのカッコイイワードをひたすら並べて、そこから選んだのを覚えてますw
ハタから見たら病気ですねw
気分次第では「宿命という仮面に想いを隠した禁断の貴公子」とかになってたかもしれませんw

誕生花の「アブラナ」の花言葉が競争なのも、ライバルキャラという立ち位置を意識したためです。
アブラナは黄色くてルファクのイメージカラーにもマッチしてますねw

S.S.S.のストーリーはオムニバス形式だったので、アルゴルとルファクはその中でも各章共通の登場人物、それも謎多き存在というポジション。
いくつかの要素で星という点を繋いでいき、星座にしていく、そういう役割を担っていました。
リアルタイムでSide:スピカからプレイしていた方はスピカの言う「兄さん」をルファクだと思い込んだ方も少なくないとか。

ルファクは本当に極端なキャラクターなので、書いててとても楽しい気分にさせられます。
いや、みんな我が子であり、我が分身なので楽しいんですけど、ルファクはベクトルが特殊というか、他キャラはしないような言い回しが出来るのでw

いや、本当、我ながら酷い話書きましたね!
でも、あの時真剣にルファクと向き合って思い浮かんだ話がこれ、つまりこれがあの時の自分にとっての生ルファ君なワケです!
次に書く時は超シリアスかもしれません!
その時の心のルファ君次第です!

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コメント

1. いや~、これぞルファクっていうお話ですねw

 普通じゃないことをしれっと当たり前のように言ってのける!w
 普通じゃしないことをさらっとやってのける!w

 これこそがルファクですな!wwwww
 彼のそういうところ、好きですwwwwww

Re:いや~、これぞルファクっていうお話ですねw

そうですね、自分もそういう所を気に入ってますw

ルファクは単独エピソードがないのでもっと色々書きたいんですが、主人公(PC)を描いてこそのルファクって気持ちもあるんですよね。
そうじゃないと「散りゆく者」って言えませんしw

だからつい、彼について書こうとすると面白おかしいポジションになっちゃうのかもしれませんねw

プロフィール

HN:
星七号
職業:
ゲーム作ったり話書いたりする人