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Side:Shadow 32「呪いの爪牙」

Strong Stars Story
  Side:Shadow
   32「呪いの爪牙」

それにしても奇妙な展開になったものだ。

俺はフリードら数名の騎士……
そして、ゴルドと名付けられた断罪の凶星と共に
デリテリオの活動拠点へと繋がる地下水路を目指していた。

それにしても、会話がない。
他の騎士はともかく、ゴルドと何を話せば良いのかがわからない。

そもそも今は大人しくしているものの、
いつゴルドが俺に銃を向けるかわかったものではない。
問題は何一つ解決していないのだから……

「……ところで、テンジだったか?
 まさかとは思うが、お前が持つその剣、天狼……じゃないよな?」

沈黙を破りフリードが俺に話しかけた。

「……天狼だ。
 それがどうかしたのか?」

俺がそう返すと、フリードは驚いたような、嬉しそうな顔を見せた。

「何……?
 となるとお前、ミフネを知っているか?」

「……!
 ミフネは俺の師とも言える男だ……」

まさかフリードの口からその名を聞くとは思わなかった。

「あいつの弟子か……なるほど。
 俺とミフネ……それにエスターとイングラムって奴らで昔、旅をしてた時期があってな。
 俺にとっちゃ、かけがえのないダチみたいなものだ」

フリードは昔を懐かしむように微笑みながら、俺にそう語った。
確かに、師匠の口から「以前旅をしていた時期がある」という話は聞いていた。
師匠の剣術はその旅の中で磨かれたものらしい。

「だがお前……何故そんな武器を使ってるんだ……?
 何もそんな呪われた武器を使う必要はないだろう」

フリードの言葉を聞いたゴルドは、それまでの無関心な様子とは一変して、
フリードに「……呪われた武器、だと……?」と訊ねていた。

「あぁ……
 天狼には『爪牙』と呼ばれる呪いがかけられている。
 抜刀すれば抜群の切れ味を誇るが使用者の生命力を貪り喰らい、
 納刀したまま振るえば、相手は『必生』を得る……」

フリードの説明をゴルドは無言で聞いていた。
何か感心のある内容だったのだろうか。

「……納刀したまま振るう……だと……?
 もう少し詳しく聞かせてくれ」

ゴルドがそう言うと、フリードはゴルドに「天狼に興味があるのか?」と問いかけた。

「……俺の事は良い。
 その武器について聞かせてくれ」

「元々天狼ってのは無銘の業物だったんだが、
 ある時、一人の呪術士が呪いをかけたんだそうだ。
 なんでそんな呪いをかけたのかはわからないがな。

 ……納刀した状態で、相手を殺めるだけの打撃を与えた場合、
 相手は必ず生き残るが、その代償として使用者の肉体が傷を負う。

 常に相手の力量を見極め、絶妙な加減をしながら、ここぞという時にだけ抜刀する……
 そんな面倒な使い方を強いられる物好きな武器……俺なら御免だがな」

……フリードの言う通り、普通であればこんな奇妙な剣を使う利点は存在しない。

だが、俺の場合は……

「装備者を苦しめる、呪われし魔剣……か」

ゴルドはそう呟くと、何かを考えながら俺の天狼を睨み付けていた。
ゴルドが何を考えているのかは相変わらずわからない。

もっともフリードの説明が全てではないが、あえてそれを語る必要もないだろう……

「俺にはこの武器が合っている。
 ……何度か死にかけたがな」

俺がそう話していると、地下水路への入口が見えてきた。

「……よし。
 それじゃ、作戦開始と行くか」

フリードと数名の騎士は槍を構え、ゴルドは銃を、そして俺は納刀したままの天狼を構えた。
武器を構え、警戒しながら俺達は地下水路へと足を踏み入れていった。





地下水路を進む俺達の前後に、突然武器を携えた何人かの男達が姿を現した。
何も言わずに攻撃を仕掛ける男達を前に、誰よりも速くゴルドは発砲し、相手の武器を破壊、
続く形で俺やフリードも武器を振るい、敵の戦力を奪った。

「……貴様らが生きようが死のうが俺には関係がない。
 だが、貴様らの持つ情報は真実へと続く標(しるべ)となる……」

ゴルドはそう言って、一人の男に銃口を突き付けた。

「ケケケッ……
 そいつらは使い捨てだからな、何も知らねぇゼ……?」

どこかで聞いたような下卑た声が聞こえてきた。

「プププッ!
 そんな“三下”倒したぐらいで調子に乗るなんて“お馬鹿さん”♪
 プッププッププ~♪」

戦力を奪われた男達が道をあけると、そこには
どこかで見た奴ら……ナガサーとアーシアの姿があった。



(星七号の独り言)
天狼について、ゲーム的に説明します。

相手のHPが50あるとして、納刀天狼で100ダメージを与えると、相手のHPは1となり、
テンジ(装備者)は51ダメージを受けてしまう。

そのためテンジは相手の戦闘力を見極め、手加減をする必要があるものの、
HP50の相手に手加減をして10しかダメージを与えなかった場合、
テンジ自身がピンチに陥る事にも繋がります。

上手い事相手の能力を見極め、49ダメージ与えるのがベストと言えます。

では抜刀天狼はというと、切れ味は良いものの、
敵を斬る度にテンジの寿命(HPではない)が削れていきます。

何故テンジはそんな武器を使っているのか…は今後のお話ですね。

ルファク「……じーっ……」

彼、ホラ、武器コレクションが趣味だし、変な武器とかそういうのもそそるんでしょうね。
「呪われし魔剣」とか急に言い出すし。
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コメント

1. 武器オタクが説明してほしそうにこちらを見ている

>> 敵を斬る度にテンジの寿命(HPではない)が削れていきます。

 LPですね。

 LPと聞くと、サガフロ2で何も知らずにラストダンジョンに突撃して、ラスボス戦で強制的にPTメンバー全員がターン更新時にLP1ずつ削られるという非常な攻撃を前に、LP低すぎてなすすべもなく、セーブもしちゃってて戻ることもできずにやり直しを余儀なくされた記憶が蘇ります(^-^)(トラウマ


>> 装備者を苦しめる、呪われし魔剣

 表現も中○フィルター全開なのが彼らしいとか思ってしまう私ですw

Re:武器オタクが説明してほしそうにこちらを見ている

コメントありがとうございます!
励みになりますw

>セーブもしちゃってて戻ることもできずにやり直しを余儀なくされた記憶が蘇ります(^-^)(トラウマ
友人がFF7でエアリスを一切育てないまま戦闘強制参加となり、
直前セーブもしちゃってたので詰みかけたという話を聞いた事があります。
セーブしちゃったよ!後戻り出来ないよ!系はしんどいですよねー…

>表現も中○フィルター全開なのが彼らしい
彼のためにも語彙力を磨いていかなければならないなと思いますw

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星七号
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