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Side:Shadow 34「地下施設の死闘」

Strong Stars Story
  Side:Shadow
   34「地下施設の死闘」

散りゆく者達と離れ、先行する俺の前に6人の男達が姿を現した。

6人は何を話すでもなく武器を構え、いきなり俺に攻撃を仕掛けてきた。

向けられた刃を避けつつ、至近距離で眼前の敵を撃とうとしたが、
俺の背後からは別の敵が槍による攻撃を仕掛けてくる。

これまでの有象無象の奴らとは違い、
それなりに鍛えられた者である事は動きから理解出来た。
そんな奴らが繰り出す連携攻撃は容易く破れるものではない。

「少しはやるようだな。
 ……だが……ッ」

俺は1人を足蹴にしつつ、跳び上がりながら空中から弾丸の雨を降らせた。
これにより、2人がその場に倒れた。

残り4人……
1人ずつ削っていけば、負ける事はないだろう。
だが、残弾が減ってきている事もあり、極力無駄弾は控えなければならない。
俺は両手に二丁の銃「デストラクトシューター」を構えつつ、
静かに敵を睨み付けていた。

その時だった。
後方から何者かが近付く気配がする。
この気配は……

「ゴルド、無事か?」

……散りゆく者達だ。

「フンッ、見ればわかる事を訊くとは、
 貴様の目は節穴のようだな……」





眼前にいる敵らしき存在は残り4人……
数ならば俺達が勝っているが、4人が放つ気迫からは、
非常に不気味な威圧感が感じられた。
奴らは相当に鍛えられた戦士なのかもしれない……

「……油断するな」

そう言いながら俺は、納刀状態の天狼を構えた。

「俺に続け!」

フリードは槍を構え、強力な突きを繰り出したが、
敵はそれを避けながらも、反撃を仕掛けてくる。
フリードは先程の怪我の影響があるのか、
これまでと比べると行動にキレが失われているようだ。

「退け……ッ!」

ゴルドは二丁の銃を構え、取り付けられた刃で近接攻撃を仕掛けていた。
ゴルドの猛攻は1人の敵を相手に優位を取っていたが、
他の敵がゴルドの背後で槍を構えている事には気付いていないようだった。

「……ゴルド、後ろだッ!」

俺が動くよりも速く、フリードはその身をゴルドの盾にし、
フリードの腹部は敵の槍によって貫かれていた。

「ガハア……ァッ……!」

「フリード!?」

俺と騎士達は慌ててフリードに駆け寄った。

その間にも、ゴルドはフリードを貫いた敵に銃弾を浴びせ、敵を1人減らしていた。

「や、やべぇな……こりゃ……しくじったか……」

フリードの腹部からは大量の血が流れていた。
騎士達は応急手当てを施すが、中々傷は癒えず、赤い血だけが流れ続けていた。

このままでは、フリードが死んでしまう……
俺の目の前で……フリードが……
俺の力が……足りなかったせいで……





俺は弱い。

俺の脳裏には、あの日の光景が浮かんでいた。

俺の弱さで大切だったものが、赤く染まる……

俺は弱い、弱さは罪だ。

だから、俺は……



それでも……

俺の弱さで、また人が死ぬというのか……





俺は、天狼を構えた。
今俺に出来る事は、一刻も早く敵を倒し、そのままフリードを連れ帰る事……

「……天狼ッ!!」

俺は、天狼に施された封印を解き放ちながら、敵に素早く斬撃を浴びせた。

その一方で、ゴルドも敵へ怒濤の連続攻撃を仕掛けていた。

「己が愚かさ……
 嘆き、苦しみ、悔いて、散れ……ッ!!」

俺とゴルドの攻撃により、全ての敵はその場に倒れた。

俺が戦った者には辛うじてまだ息があるようだったが、
ゴルドが戦った者は、完全に息絶えていた。

……だが、これでこの場の敵は片付いたハズだ。

ナガサー達の消息は気になるが、フリードの命を優先し、ここは退くしかない。

「ここは退……」

俺がそう言いかけた時、何者かがゴルドの背後に立っていた。

「ゴルド……!?」

そしてその何者か……アーシアは、
ゴルドが身に付けていた仮面を奪っていた。



(星七号の独り言)
誰が喋ってるかわかりにくい部分がございますが、
今回はわかった上でそうしています、すみません。

こんな展開ですが、次回でルファク編は終わりです。
…と言っても、色々綺麗に片付くような終わり方ではありませんが。
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星七号
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ゲーム作ったり話書いたりする人