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Side:Shadow 36「そして、星は集う」

Strong Stars Story
  Side:Shadow
   36「そして、星は集う」

「あれっ、テンジだよね?」

振り返ると、そこには完全無欠の冒険者・スピカが立っていた。

「それに、ルファクも一緒なんだね。
 もしかして、2人は知り合いなのかな?」

スピカは、笑顔でそう話した。

……ルファク……?

ルファクという名には覚えがある。
たしか……そうだ、記憶に間違いがなければ
アルナとアイリが言っていた、兄の名だ。

俺がそんな事を考えていた間に、ゴルド……ルファクと呼ばれた男は
先程奪われたマスクと同じものを身に付けながら、その閉ざされていた口を開いた。

「……スピカ、気を付けろ。
 この男は、俺達の……『敵』だ」

ルファクと呼ばれた男の発言に、スピカは少し黙り込み、小さく微笑んだ。

「ふふっ、ルファクが冗談を言うなんて」
「冗談ではない……ッ……
 ……良く聞け、俺達にとっての悪夢はまだ終わっていない……ッ」

ルファクな静かに……そして、感情的にそう言い放つと、
スピカは困ったような顔でルファクに問いかけた。

「……どうしてテンジを敵だと思うの?
 テンジは信じられる、良い人だよ」

「……ならば教えてやろう……
 その男は……」

ルファクが何かを言いかけた時、
聞き覚えのある低い声が俺の背後から聞こえた。

「……コレを持ってるから……か?」

振り返るとそこには、サビクが立っており、
その手には俺の荷物の中にあるハズのスターオーブの姿があった。

サビクを前にして、ルファクは落ち着いた様子だったが、
スピカだけは驚きを隠せないようだった。

「……にい……さ……ん……」

俺は、いつかスピカが話していた『兄』の話を……そして、
『一度走り出したら立ち止まるな。最後まで走り続けろ!』
と言われた瞬間のサビクの反応を思い出し、
スピカとサビクの関係性を理解した。

「……久しぶりだな、スピカ。
 少し、立派になったみたいだな。
 ま、胸のデカさに関しちゃそこまで変わってないようだが」

サビクはスピカをからかうように小さく笑い、
スピカは驚きながらも少し不満そうな表情を浮かべていた。

そして一拍置くと、サビクは真剣な表情で、
俺の目を見ながら静かに問いかけてきた。

「……ンな事より、テンジ。
 何故お前が『コレ』を持ってンだ?
 お前、『コレ』が何なのか、わかってるのか……?」

スピカとサビクは静かにこちらを見ており、
ルファクに至ってはいつでも武器を構えられるよう、確かな敵意を俺に向けていた。

サビクからスターオーブを受け取った俺は、
もはや隠し通す事は出来ないと察して口を開いた。

「……そのスターオーブは預かり物だ。
 ……それが何なのか……俺はあまり良く知らない。
 俺が知っているのは、『強き者』の居場所を知り、
 その『強き力』に呼応して輝きを放つ……という事だけだ」

「預けたのは何者だ?
 今日こそ答えてもらうぞ……」

不思議だ。
今まではルファクには何も話す気になれなかったのだが、
今ならば真実を話してしまっても良いように思える。

これは、スピカとサビクが共にいて
敵ではないと信じて欲しいがためなのだろうか。

「それは……ア……」

『アルゴル』。
その名前を口にしようとした瞬間、近くから爆発音が聞こえると同時に、
スターオーブが白く輝きを放ち、俺の脳裏には「アルナとアイリ」の姿が浮かんでいた。

「……すまない、話は後にさせてもらう」

状況はわからないが、2人の危機を察した俺は、スターオーブが示す方へと走り出した。
スピカ、サビク、ルファクも俺を追いかけるように着いてくる。

……走りながら俺は、
言葉では現せないような不気味な風を肌で感じていた。
そして、現場へ向かうにつれ、それは徐々に強まっていた。





現場に到着すると、杖を構え、光の壁を展開するアイリと、
魔法を放つべく魔力を集中させているアルナの姿があった。

「アルナ、アイリ……ッ!?」

ルファクがその名を呼び、俺達が駆け寄ろうとした瞬間、アイリは
「来ちゃダメ!!」
と叫んだ。

不気味な風と共に何者かがアイリの前に現れ、衝撃によって光の壁を破壊した。
吹き飛ばされそうになるアイリを、アルナ、そしてルファクがなんとか抱き止めた。

「……フフッ。
 まるで、同窓会みたいだね?」

不気味な風をまとう何者かは振り返り、俺達にその姿を見せた。

そこに立っていたのは……『アルゴル』だった。

「……ダメじゃないか、テンジ。
 オーブは誰にも見せちゃいけないって言っておいたのに……
 約束は、守らないと……さ?」

だが、アルゴルの様子が明らかにおかしい。
アルゴルは小さく微笑んでいたが、
その笑顔は俺が知るアルゴルとは別人のようにとても冷ややかだった。



(星七号の独り言)
……いやはや、本当にお待たせしており申し訳ありません。
ようやくまとまった時間が出来たので続きを書けました。

本家S.S.S.をご存知の方にはなんの衝撃もない展開かもしれませんが、
終わりへ向けて各キャラクター達が集まる展開です。

先に言っておくと
「同じ部分も多々あります」が、「色々違うと思います」。
これまでもそうだったんですけど、終わりに向けてそういう要素は多々あると思います。
そこは出来れば、「そういうもの」として見ていただけると大変ありがたく思います。

今回の話でもサビクの振る舞いとかそうですね。
スピカの「胸」について触れるのは初期構想の頃からサビクに言わせたかった部分ですが、
本家サビクはちょっとキャラ付けが変わったりしたので。

あと他人の持ち物を何も言わずに取り出す、これもやりたかったネタです。
そういうのが得意な人だから仕方ない。

次回は……いつになるんでしょうね。
忘れてるワケじゃないので、まぁ、書ける時に書きます。
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星七号
職業:
ゲーム作ったり話書いたりする人