ある日、スピカの前に、青い髪の青年が現れた。
話を聞くと、どうやら青年は過去を変えるために未来からやって来たスピカの息子らしい。
スピカは思わず
「今回も夢オチかな?」
とワケのわからない事を考えたが、ひとまずは青年の話を聞いてみる事にした。
未来ではスピカの料理の腕がプロ級になっているとか、ルファクは未来でも相変わらずの性格だとか、
そんな話をしていると、どこからか助けを呼ぶ声が聞こえてきた。
「スピカさん、刃物を持った人が暴れてるんです!」
携帯している剣、サクレ・ソヴァールを構えるスピカだったが、
青年は
「母さん、ここは俺に任せてよ」
と爽やかな笑顔でそう言った。
「行くぞッ!」
青年が格好良さげなポーズを決めていると、青年の肩から、無数の触手が姿を現した。
「……!?」
そして青年は、その触手を駆使し、刃物を持った男をあっという間に鎮圧した。
「俺は、触手使い(ヒドラマスター)……
父さんから受け継いだ力と、
母さんから受け継いだ想いを武器に、未来で冒険者をしているんだ」
ワケのわからない重大発言をする青年を前に、スピカは恐る恐る問いかけた。
「父さんから受け継いだ……って……もしかして……?」
「うん、父さんは伝説の触手使い(ヒドラマスター)だったんだ」
「……っていう夢を見たんです。
まぁ、夢かな、とは思ったんですけどね……」
酒場「デイブレイク」で、スピカはうんざりしたような顔で、ランドルフに夢の話をしていた。
「……きっと、疲れてるんだよ。
イチゴプリン、すぐ用意するからね」
夢の内容でうんざりしたような顔をしているスピカを見て、「世界には色々な人がいるものだ」とランドルフは1人感じていたのだった。
(後書き)
ある意味、いつもの。
もはや開き直りの世界。
Side:Shadow以外にも何か書きたいなと思って、ギャグな上に短いですがこんなのを。
平日の朝、通勤電車の中、数分で書きました。
こんな未来に辿り着くかどうかは、俺も知らない。
オマケのドットはスピカさん(イチゴのケーキ風カラー)です。
ショートケーキは白いだろって?
違うよ、イチゴのケーキだよ!
(背景色と同化する関係で白ってムツカシイ)