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Side:Shadow 8「アジト、突入」


Strong Stars Story
  Side:Shadow
   8「アジト、突入」


俺達はディアナに案内されるままに、街外れにある古びた屋敷を訪れていた。
どうやら、ここがデリテリオのアジトらしい。
屋敷の古さには見合わない3人の若い男達が、玄関付近を見張っていた。

裏口に回ると、ディアナの話通り、見張りは1人しか立っていなかった。
その見張り……黒い髪を後ろにまとめた男に、ディアナは話しかけた。

「……久しぶりだね、タミード」

タミードと声をかけられた男は驚き、戸惑っていた。

「あ、姐(あね)さん……ッ!?
 なぜ姐さんがここに……!?」
「それはこっちの言葉さ。
 ……なんでアンタがデリテリオ……
 ナガサーの下なんかにいるんだ?」

ディアナの言葉に、タミードは言葉を失った。

「……まぁ良いさ。
 今日は世間話をしにここに来たんじゃない。
 中に通してくれ」

ディアナを前に、タミードは静かに首を横に振った。

「……いくら姐さんの頼みでも、それは出来ない」
「相変わらず頭がカタいね。
 ……お嬢ちゃん、おいで」

ディアナに呼ばれ、ミミィがインディを連れてタミードの前に駆け寄った。

「……ッ!?」

タミードは、インディを見てさらに動揺しているように見えた。

「……犬、好きだったよね、アンタ」

ディアナは静かに笑う。

「おじちゃん、インディをなでなでしたいの?」

ミミィは太陽のようにまぶしい笑顔でそう問いかけ、タミードは思わず息を飲んだ。

「……い、良いのか……ッ!?」
「うん!
 かわりに、ディアナおねえちゃんのおねがいをきいてあげて!」

笑顔でミミィがそう言うと、ディアナは勝利を確信した笑みを見せた。
タミードは静かに震え、そして……

「まったく……姐さんには敵わないな。
 ……わかったよ」

諦めたような顔で、そう呟いた。
ミミィに許可をもらい、インディを撫でているタミードに向かって、ディアナは語りかけた。

「……ま、アンタがナガサーの下で何をしようとしてるかなんて、
 聞くまでもなくわかってるさ。

 安心しな、今日アタシが来たのも、同じ理由さ」

ディアナの言葉に、タミードは驚きを隠しきれなかった。

「なッ……いくら姐さんでも無理だ、危険すぎる……ッ!?」
「無理?
 ……無理でも無茶でも、人間には
 命を賭して、やらなきゃいけない時があるのさ」

そう言って、優しく笑うディアナを前に、タミードは静かに頭を下げた。
その後、何も言わずにアジトの裏口の扉を開いた。

「……ありがとね、タミード」
「姐さん……また会いましょう」

俺達はタミード、ミミィ、インディと別れ、
残ったメンバーでアジトへと突入を開始した。

「ディアナさん、おかげで助かりました」

そう言うスピカだったが、ディアナは小さく微笑んだ。

「さっきのはアタシより、あのお嬢ちゃんとワンちゃんの頑張りさ。
 あの子達の頑張りを無駄にしないために……気を引き締めて行くよ!」

ディアナに導かれるままに、俺達はアジトの奥へと向かっていった。





奥の部屋に辿り着くと、そこには手を縛られたニコルと、
そのニコルを取り囲むナガサーと2人の男の姿があった。

片方の男には見覚えがあった。
たしか、バートラと言うトルシュ家の執事だ。
行方がわからないという話だったが、ここにこうしているという事は……
ニコル誘拐に関与しているのだろうか。

「あっ、スピカおねーちゃん!」

ニコルはこちらに気付き、満面の笑みを浮かべた。
それを受け、ナガサー達も一斉にこちらの存在に気付く。

「なッ、なんだ、オマエらはッ!?」

「もう忘れちゃったのかな?
 私はスピカ・パルフェイ。
 一応冒険者っていう事になってるんだ」
「オマエは……あの時の嬢ちゃんか……!」

「アタシの事も思い出せないのかい、ナガサー」
「ま、まさか……オマエ、ディアナ……!?」

驚きに次ぐ驚き。
ナガサーは驚きに顔を、ただただ歪ませていた。

「困っている人や、
 助けを求めている人がいるのなら、それを助けるのが私の使命
 ……だから私は、ここにいる!」
「ナガサー……アンタとの因縁も、これで終わりにしてやるよ!」



(星七号の独り言)
ビックリするほどディアナ回。

タミードというキャラクターは元々季節イベントのキャラクターだったため、
本家S.S.S.ではオマケ程度の扱いでしたが、
Side:Shadowではディアナ、ナガサーの過去にまつわるキャラクターとして再設定しました。

本家でもSide:スピカクリア後にディアナに話しかけるとディアナの過去話が聞けるのですが、
Side:Shadowではストーリー中にも因縁を感じさせる要素を増量しました。

その結果がディアナ回。
テンジは今回活躍どころか、台詞すらない、ナレーションの人。
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星七号
職業:
ゲーム作ったり話書いたりする人