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Side:Shadow 9「難攻不落」


Strong Stars Story
  Side:Shadow
   9「難攻不落」


「トルシュ家の執事……たしか、バートラと言ったか。
 今回のニコル誘拐に、お前が関与している
 ……そう考えて間違いないか?」

俺がそう言うと、バートラは執事の姿に見合わぬ下卑た笑みを浮かべた。

「ヒェヒェヒェッ……
 そうです、そうですよ。
 まぁ、これぐらいなら、野良犬にでもわかりますよねぇ?」

こちらを小馬鹿にするような口調で、バートラはそう言った。
執事が手引きをする事で、警戒されずにニコルを誘拐する……
小悪党達にしては、中々に考えられた策なのかもしれないが、
それを見過ごす俺達ではない。

「……やっぱり、話し合いでなんとかなる相手じゃないみたいだね。
 みんな、行くよ!」

スピカがそう言うと、ラザンとハイデルはそれぞれ道具を取り出した。
ラザンは懐中電灯、ハイデルは……あの時のヒドラボールだ。

「行きますぞ、我が奥義っ!」

ラザンが自らの「良く磨きあげられた頭」に懐中電灯の光を当てると、
周囲をはげしい光が包んだ。

「ぎゃっ、なんてはげしい光なんだ!?」
「出番ですよ!
 ヘンリー、ナッフィー、ドラちゃん!」

ナガサー達が動揺している隙に、
ハイデルはデリテリオの男達にそれぞれヒドラボールを投げつけた。
それぞれのヒドラボールから変なヒドラが姿を現し、近くにいる男達に激しく絡み付いた。

「きっ、気持ち悪ぃぃぃ……!」

変なヒドラのうねうねとした触手が男達の足に、腕に、
そして腰の辺りにも絡み付き、自由奔放に動き続けた。

「ちょっ、やめ……ろ……ッ!?
 ばっ、馬鹿……服の中に、入るんじゃねェ……!
 そこはダメだ……ァッ……!?」
「今ですね!」

男達が慌てふためく隙に、キャシーが素早くニコルを解放し、抱き抱えた。

「すまないが、後は任せたよ、テンジ! スピカ!」
「任せろ……!」

ハイデルが変なヒドラ達をヒドラボールで回収し、ディアナを先頭に、
ニコルを抱き抱えたキャシー、ラザン、ハイデルらは次々と脱出していった。

その場には触手による攻撃から解放されたデリテリオの3人と、
俺とスピカの姿だけがあった。

「……おとなしく自首するなら、
 痛い思いはしなくて済むけど、どうしたいかな?」

スピカの問いかけに対し、ナガサーは「ケッ!」と笑みを浮かべた。

「誰が自首なんかするかよ!
 オレ達にはまだ、切札があるんだゼ~?」

他の2人もナガサーと同意見のようだ。

「それなら……
 お仕置きが必要みたいだね……!」

スピカは剣の布を取り払い、俺もまた、鞘に納めたままの刀を構えた。

「ヒェヒェヒェッ、野良犬冒険者め……
 鞘に納めたままの剣で何が出来るんですぅ?」

嘲笑うバートラだったが、

「その武器にお前達の親玉は一度気絶させられているがな」

と返すと、ナガサーは何かに気付いたような反応を、
ツンツン頭の巨漢は怒りの感情を、バートラは気まずそうな表情をそれぞれ見せた。

「アニキィ!
 俺にアレを使わせてくだせぇ!」

巨漢はそう言い、ナガサーに手を差し出すと、ナガサーは静かに、謎の水薬を手渡した。

「ケケケッ……折角だから教えてやるゼ~?
 これはな、昔ある錬金術師が力を求めて作り出した秘薬……
 その名も『レヴォルポーション』!
 こいつを使う事で、常人には到底辿り着けない、
 『限界を超えた力』を手に入れられるんだゼ~!」

巨漢は一気に「レヴォルポーション」飲み干し、品のない笑い顔を見せた。

「カカカカカッ……!
 アニキィ……ナガサーのアニキィ……
 イイぜ……コレ、イイぜ、アニキィィィ……!
 カカカカァァァッ!」

巨漢は気味の悪い笑みを浮かべながら、腕を大きく振り回した。

「そんなに良いか、ニードラ?」
「あぁ!
 身体中に力がみなぎって……
 もう! ハイでッ! ハイでッ!
 最ッ高に……カカカカカカカカカカッ!」

ニードラと呼ばれた巨漢は、あふれる力を込めた拳を、バートラにぶつけた。

「ぐばあぁっ……!?
 なぜ……私が……っ……!?」

バートラはその場に倒れ、意識を失った。

「おいおいニードラ、バートラは敵じゃないゼ~?」
「いや、アイツはアニキをバカにしてた……
 俺は、アニキをバカにする奴は、誰だろうと許さねェッ!」

叫ぶようにそう話すニードラの横で、ナガサーは嬉しそうに笑っていた。

「ケケケッ! まぁ、良いか。
 ニードラ、オマエのオマエのイキでイナセな心意気、しっかりと見せてもらったゼ……!」
「いや、アニキ……
 もっともっと、お楽しみは、これからだぜ……カカカカカァァァッ!」

ニードラは再び腕を大きく振り回しながら、俺達の前に立ちはだかった。

「……相手がどれだけ強くても、
 私達は絶対に負けない……負けられない……っ!」
「……そうだ。
 俺達は必ず勝つ……そう約束したからな……!」

最初にニードラに斬りかかったのはスピカだった。
しかし、ニードラはその攻撃をあたかも読んでいたかのように回避した。
続いて、俺が打撃を加えたが、そちらは簡単に防御されてしまった。
巨漢のニードラが、まさかこんなに素早く動くとは思ってもみなかった。

「こ……攻撃が効かない……っ!?」

「ケケケッ!
 見たか、驚いたかァ!?
 折角だから説明してやるゼ~!
 これこそが、ニードラがレヴォルポーションで得た力……
 『超反応』だッ!」

超反応……人並み外れた反射神経のようなものなのだろうか。
確かに、厄介な相手だ。

……落ち着け、冷静になれ。
どんな逆境でも、どんな困難な状況でも、冷静になれば乗り越えられる可能性はある。
肝心なのは、諦めない事だ……!

「私は負けない……っ!
 ここで負けたら、ニコル君やトルシュさんがまた危険な目に遭う……!
 だから、私は絶対に負けられない……!」

スピカは何度避けられても、何度防がれても、何度でもニードラに斬りかかった。
背後に回り込んでも、攻撃のタイミングに変化を付けても有効な一撃には致らなかった。

ついにはニードラの力強い反撃を受け、スピカは勢い良く、壁に叩きつけられた。

「まだ……っ!
 ……まだ、負けてない……!
 腕が折れても、足が折れても、剣が折れても……
 絶対に、心は折らない……っ!!」

スピカが何度目かの斬撃を繰り出した瞬間、俺はある事に気が付いた。

……なるほど、「超反応」を潰すなら、そこか……!

「スピカ、攻撃を続けろ!
 超反応の突破口は見えた……ッ!」



(星七号の独り言)
いよいよスピカ編もクライマックスです。
そんなワケで、今回の話は予定より詰め込みました。

デリテリオの現在出ているメンバーですが、
・ナガサー(ケケケおじさん)
・(シシシ兄さん)
・バートラ(ヒェヒェヒェ執事)
・ニードラ(カカカ男)
みんな4文字で、名前に「ー」が入り、下品な笑い方をしています。
シシシ兄さんは「ドロース」と申します。

タミードも名前的には条件に当てはまりますが、
彼はデリテリオに心を売っていないため、変な笑い方はしません。
むしろ変な笑い方が嫌だったからデリテリオを裏切ったという設定すら考えてた。

果たしてテンジとスピカはニードラ&ナガサーに勝てるのか!?
スピカはうねうねに打ち勝てるのか!?

スピカ「うねうねは関係ないんじゃないかな!?」
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コメント

1. 心底から兄貴を慕うニードラの株が上昇中…?

>「これぐらいなら、野良犬にでもわかりますよねぇ?」
>「鞘に納めたままの剣で何が出来るんですぅ?」
 ………(#^ω^)イラッ☆ スピカさん、テンジさん、やっておしまい!
 よくもまあ、トルシュ邸で化けの皮が剥がれなかったものですねw

 デリテリオの仲間入りには変な笑い方が必須条件、と…
それが嫌で裏切ったかもしれないタミードさんに噴きましたwww

 …ヤローどもの触手プレイの表現にだいぶ力が入ってるように見受けましたが、
きっと私の気のせいですね、はい;

Re:心底から兄貴を慕うニードラの株が上昇中…?

コメントありがとうございます!
ニードラは兄貴大好きですね!

>よくもまあ、トルシュ邸で化けの皮が剥がれなかったものですねw
バートラはONとOFFの差が激しいんです。
むしろ普段しっかりしている分、本性を現すと嫌味たっぷりになります。

>それが嫌で裏切ったかもしれないタミードさん
「ケケケケケッ!」
「シシシシシッ!」
「ヒェヒェヒェ!」
「カカカカカッ!」
こんな笑い声が響く環境、自分なら耐えられないと思いますw

>ヤローどもの触手プレイの表現にだいぶ力が入ってるように見受けましたが、
きっとファイさんが心の奥底でそのシーンを望んでいたから
そう見えたんですよ、そうに違いない。

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星七号
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